中国語を勉強し始めて感じることは「どれくらい勉強したら普通の日常会話ができるようになるのだろうか?」ということかもしれません。
今回は中国語の日常会話ができるまでに必要な期間はどれくらいなのか見てみましょう。
中国語で日常会話ができるまでの習得期間
目次
中国語が話せるまでの期間
できるだけ早くある程度中国語を聞き取れるようになり、ある程度自分の意思を伝えられるようになりたい。と感じるのはもっともなことです。
中国語が話せるようになる期間を知るのに、役立つのは赤ちゃんがお母さんと日常会話をできるようになるまでにどれくらいの期間を要するかという点です。
これは認めるべき必要があることですが、大人と赤ちゃんとでは、言語を勉強するという点においては完全に赤ちゃんのほうが能力が上です。
その赤ちゃんでさえ「ママ」(妈妈:māma)というもっとも簡単な言葉を話すのにどれくらいかかりますか?そう1年かかるのです。
ほぼすべてママの言うことが分かるようになり、自分の意思が伝えられるようになるまでには何歳になっている必要がありますか?およそ3歳でしょう。
つまり大まかにいって、言語というのは簡単なことを表現できるまで1年。日常会話ができるようになるまでは3年というのが目安です。
過度の期待を抱かない
日常会話ができるようになるまでの期間に過度の期待を抱いてはなりません
ときどき「この勉強法で私は3か月で英語をマスターしました」などという教材を目にしますが、そういうのは教材を買ってもらうために、大げさ(夸张:kuāzhāng)に表現しています。
異常なまでに言語中枢が発達した人でもないかぎり、基礎0(零基础:língjīchǔ)から始めて1年以内に日常会話をマスターできることは絶対にありません。言語の天才、赤ちゃん様ができないことを大人ができるわけないのです。
進歩の個人差
大人が中国語を勉強するとき、覚えておく必要があるのは学習能力の差です。中国語の勉強し始めが、10代や20代の場合、言語学習がスムーズにいくので通常の3年で会話ができるようになります。
しかし10代、20代である上、すでに中国語以外の言語を習得したことがある人は、すでに言語習得をするうえでの、注意点とコツを掴んでいます。もしかすると1,2年で日常会話ができるようになることもあります。
しかしその逆もあります。中国語がはじめて勉強する外国語であるうえ、すでに30オーバーならどうでしょうか?3年たっても日常会話ができない可能性があることを踏まえておきましょう。
ちょっと言いにくいのですが、40オーバーの方、または理解力に限界がある方は日常会話ができるまで、5年というのが妥当な年数です。
焦らずまずは発音を
本格的な中国語を身に着ける気持ちはなく、単に一回行く中国旅行のために簡単な会話ができるようになりたいのであれば、こんなに期間は要しません。
旅行の時に使える中国語フレーズが乗せられている本を100円ショップで購入し上に振ってあるカタカナに四声を付けて読めればいいでしょう。旅行は、相手の言葉を聞き取る必要はあまりなく、自分の意志さえ通じればいいからです。
ですが、もし本格的な中国語で「日常会話を早くできるようになりたい」のであれば、最初の一年は日常会話をしたいという気持ちをしっかり持つことが必要です。
声調言語である中国語は発音が命なので、ネイティブの先生と発音に気を付けて練習しましょう。急がば回れなのです。
日本人は中国語の勉強がすでに半分終わっている
「新たな外国語を勉強するのって大変だなぁ」と感じます。英語を勉強して挫折した人もたくさんいることでしょう。しかしそんな人でも中国語はあるコツさえつかめば簡単に習得できてしまいます。
まずは中国語は難しいというイメージを払しょくすることからです。
中国は今は世界の貿易の中心なので、アメリカ人もドイツ人も中国語を勉強して中国で仕事しています。欧米人は日本人にこう言います。
tàixiànmùnǐmendǒnghànzì
太羡慕,你们懂汉字。
うらやましすぎる。お前たちは漢字がわかる
そうなのです。日本人は中国語を勉強する前から漢字の意味が分かるのです。日本人は中国語を習得の上で一番大変な漢字が読めるわけですから、勉強がすでに半分終わっているようなものです。
だから日本人が中国語を学ぶのは簡単なのです。
昔ながらの簡単ではない勉強法
日本人が「今から外国語の勉強しよう」と思ったときどうするのでしょうか?ほとんどの人はまず本屋で参考書を買うでしょう。
あいさつの言葉は何って言うの?「你好(nǐhǎo)」か、はじめましては何て言うの?「请多管教(qǐngduōguǎnjiào)」かと知りたい中国語が書いてある本を、何時間も時間を割いて読んで勉強します。付録についている単語を必死に覚えようとするかもしれません。
しかしこれら昔ながらの勉強法は苦しいばかりか、マイナスに働きます。一人で勉強すると発音に変な癖が付きますし、苦しい勉強は長続きしないからです。
では効率の良い、簡単な勉強法とはどんな方法でしょうか?
赤ちゃんが言語を勉強する過程から学ぶ
赤ちゃんは苦労せずに言語を習得します。「お母さんは何を言っているのだろう?」という関心があるから、聞き取れるようになり、お母さんに「これを伝えたい!」と思うから、表現できるようになります。
そう、苦労して勉強などせずに正確な発音と単語、そして文法を習得していくのです。
効率よく言語を習得する勉強法は、自分を赤ちゃんと同じ状況に置くことでしょう。では、そのためにできることは何でしょうか?2つ紹介します。
ゼロの状態でネイティブと接する
赤ちゃんは言葉を耳から覚えます。よって簡単な方法の一つ目は…
hézhōngguórénzhíjiēshuōhuà
和中国人直接说话。
直接中国人と話す
赤ちゃんが自然と正確な発音を話すのは、お母さんの正確な発音しか知らないためです。
ですから、自分一人でピンインを見ながら発音してみようなどと思わず、ゼロの段階で(何も中国語を勉強したことがない状態で)中国人ネイティブスピーカーの発音を耳に入れるのが、簡単かつ効率的な方法です。
もちろんネイティブが何を言っているかわからないのでもどかしいでしょう。しかし中国語は発音命です。ネイティブ発音しか耳に入れないようにして、参考書のカタカナ中国語や日本人の変な癖がある中国語に接しないようにしましょう。
ネイティブの生活会話を聞き流す
これは言語を取得した人が口をそろえて言うことです。
yīzhítīngshēnghuóhuìhuà
一直听生活会话
生活会話をずっと耳に流す
会社や学校の行き帰り、ジョギングなどの運動中、寝る前に布団の中でと、生活のあらゆるシーンで、耳にネイティブ発音の生活会話をネイティブスピードで流します。できるだけ短いフレーズがいいでしょう。
聞き取れなくてもいいのです。まじめに聞いていなくてもいいのです。とにかく耳に流していると自然と正確な発音とフレーズが耳に残ります。
そして、そのフレーズの意味を知りたくなったならスロー再生にして、聞こえたピンインを辞書で調べてみましょう。意味を確認したらもう一度聞きます。中国語を聞いただけで意味が分かるようになったら進歩です。
初めの半年はとにかく聞くだけで、一人で発音しないようにしましょう。なぜならば、必ず間違った発音をするからです。発音は必ず中国人の先生の前で行なって間違ったらすぐに訂正してもらうようにします。
日本人は苦労が大好き
日本人の長所は苦労をいとわない点でしょう。しかし往々にして努力する方向が間違っています。
ちょっと古いですが、巨人の星という漫画が流行りました。星飛雄馬は血の汗流すまで体が壊れるほど鍛錬し、それを日本人は美しいと感じます。
しかし最近はあの昔ながらの練習法では高校生の身体がボロボロになってしまい、後で使い物にならなくなることが指摘されるようになりました。
言語の勉強も一緒です。昔からの精神論で机でひたすら苦労しても、変な発音が身に付くだけです。
そんな苦労はせずに、ネイティブの先生と楽しく会話し、ただただ耳に正確な発音を流すだけの勉強法を取り入れましょう。思ったよりも簡単に中国語を習得できてしまいますよ。